いままで家庭用ミシンを使っていましたが、薄地から厚地まできれいに縫える職業用ミシン(JUKI SL-300EX)を初めて購入しました。
職業用ミシンといっても、メーカーや型番がたくさんあり、どうやって絞り込み、最終的に購入したかを紹介していきます。
これから職業用ミシンを買おうと思っている方の参考になれば嬉しいです。
ちなみに職業用ミシンの針は、工業用針(丸針)と家庭用針(平針)がありますが、せっかく職業用ミシンを購入するなら工業用針が丈夫でよいと聞いたので、工業用針(DB×1)に絞って探しました。もし自動糸通しの機能が外せない場合は、家庭用針が使用できる職業用ミシンを選ぶ必要がありますので、使用ミシン針が、HA×1、HL×5と書かれているかどうか確認してください。(HLはHAより強度が強い針ですので職業用ミシンに向いているそうです。)残念ながら丸針を使う工業用針使用のミシンには自動糸通し機能がついていません。
STEP1:店舗まで実物を見に行く
店舗に置いてあるミシンは種類が少ないですが、色や大きさなど感覚をつかむために実物を見に行きました。
ミシンショップタケダ
北千住、日暮里、池袋にショールームがある、ミシンショップタケダさんの池袋ショールームに行ってみました。自宅から一番近い池袋にしましたが、見本のミシンが置いている数が多いのは、北千住と日暮里とのことだったので、見に行くなら池袋以外がよいかもしれません。男性スタッフの方がお一人で接客をしており、土曜日の昼間でしたが他にお客さんはいなかったのでゆっくりとお話ができました。池袋駅東口から、10分ほど歩きます。
おススメされたミシンを紹介します。
JUKI SL-700EX
職業用ミシンで検索すると、必ずヒットする大人気のミシンです。皮革や帆布も含む厚地から薄地まで縫うことができ、20番までの太番手の糸にも対応できる万能のミシンですが、お値段もそれなりです。太番手の糸が縫えれば、デニムの裾のお直しもできるので魅力的です。フロート機能があれば、ニット生地の縫い目もきれいに仕上がります。レザーを縫うならやはりSL-700EXです。選ぶポイントは、縫いたいアイテムのメインは何なのか、使いたい機能がどこまで必要なのか考えてどのミシンを購入するか判断するのがいいと思います。
機能をまとめると。
●サブテンション:撚りの強い糸でも安定した糸調子で縫える。
●押さえ圧調節:薄地~厚地まで素材に合わせて押さえ圧を調節できる。
●ミシン本体はアルミダイキャストフレームで、振動が少なく音も静か。
●垂直全回転釜:職業用ミシン、工業用ミシンで採用。高速でも安定した縫い目になる。
●自動糸切り:自動糸切りした後、下糸が針板上に見えなくてもそのまま続けて縫える。
●糸切りフットスイッチ付きコントローラー
●フロート機能(微量押さえ上げ):押えを0-2mm浮かせて縫える。ニット地の縫い伸びを抑えられる。(SL-700EXのみ)
●太糸テンション:太糸が縫える(SL-700EXのみ)
●LEDランプ光量調節スイッチ:明るさを大→中→小→OFFに調節できる。(SL-700EXのみ)
希望小売価格(税込):¥217,800
*ショールームに見本:有 パンフレット:有
JUKI SL-300EX
SL-700EXよりもお値段が安く、太番手がきれいに縫えなくてもいいなら、こちらが良いといわれました。SL-700EXとの違いは、フロート機能、太糸テンション、LED光量調整機能が付いていないことと、フットコントローラーの形態が異なります。SL-300EXのフットコントローラーは、進むときは前に踏んで、糸切りをするときは、踵側を踏む一体型となっています。
希望小売価格(税込):¥188,100
*ショールームに見本:無 パンフレット:有
JUKI SPUR 30SP
SL-700EXやSL-300EXにある、サブテンションやスピードコントロールの機能はありませんが、自動糸切りもでき、基本的な職業用ミシンとして使えます。いろいろな機能はいらないが、家庭用ミシンから職業用ミシンに買い替えてみたいといった方にはよいと思います。
希望小売価格(税込):¥177,100
*ショールームに見本:無 パンフレット:有
JANOME HS-85DX
JANOMEのブランドだとこちらのミシンが人気とのことでした。
JUKI のミシンは、最高縫い速度1500針/分ですが、こちらは1600針/分となっていますので、かなりの最速です。JUKIの職業用ミシンと機能はほぼ変わりませんが、注油箇所が少なめなので、お手入れは少しだけ楽かもしれません。あとは、デザインの好みもあると思いますが、JUKIは白の本体にブルーのロゴ、JANOMEは白の本体にグレーのラインと赤のロゴが入っています。
希望小売価格(税込):¥184,800
*ショールームに見本:有 パンフレット:有
ユザワヤ
店員さんはミシンについて基本的な説明のみで、職業用ミシンについての詳細や、メーカーそれぞれの特長など詳しい説明はありませんでした。店舗で扱っている職業用ミシンは、JUKIのSPUR TL-Y10SPとbrotherのnouvell470で、このどちらかを選んでくださいと言われました。
JUKI SPUR TL-Y10SP
この型番はJUKIのHPに載っていなかったので、ユザワヤとのオリジナル商品だと思います。機能は、SPUR 30SPとほぼ同じです。自動糸切りが付いています。
本体価格(税込):¥98,780
*見本:有 パンフレット:有
brother Nouvelle470
職業用ミシンは直線を縫うことがメインなので、JUKIやJANOMEとも機能が大きく変わることはありません。送り歯の高さ調節や押さえ圧力の調節のところに、数字ではなく、薄地や厚地などわかりやすく明記されているのがいいと思いました。
ただし、使用針が家庭用針なので、私の選択からは外れてしまいました。
機能をまとめると。
●下針送り:ぬいずれや横ずれが起きやすいベルベットやジョーゼットなどの柔らかい布地を下針送りが的確に送ってくれるので、ぬいずれなく仕上がる。(ブラザーオリジナル機能)
●送り歯高さ調節:つまみで送り歯が上下できるので、布地に合った高さが調節できる。
●押さえ圧力調整:布地に合わせた圧力に調整できる。
●クイック糸通し:針穴への糸通しがレバー操作でできる。
●自動糸切り
●針定位置停止:縫い終わりは針下で停止する。解除してフリー停止にもできる。
●LEDライト
●コンピューター制御の安全設計:糸がらみなどでロックした場合、速度を調節するコントローラーに異常が起きた場合、自動停止し赤いランプが4秒間点灯する。
JUKIのフットコントローラーは糸切りもできますが、ブラザーは特に明記されていなかったです。
本体価格(税込):¥109,780
*見本:有 パンフレット:有
STEP2:ネット販売のミシン屋さんで探す
ミシン販売専門店
ミシン販売専門店は、杉並区の八幡山にショールームがありますが、ネットでの情報が豊富だったためHPを活用させてもらいました。また、メールで質問した返事が迅速で、かつ丁寧な対応だったため好印象を受けました。
SL-300EXについて質問しましたが、やはりおススメはSL-700EXとのことでした。
SL-700EXの太糸テンションの機能を使えば、パンフレットには20番手までと書かれていますが、8番手まで縫えるそうです!普通の職業用ミシンでは縫えない太さです。
世界のミシン ソーイングセンターjoy
世界のミシン ソーイングセンターjoyは、ラインで友達になり取り扱いミシンの型番や値段について質問しましたが、事務的な返事で価格も安くなかったので候補からは外れてしまいました。以前ミシン修理を依頼したく、電話で問い合わせた時も同様の対応だったので、そのような社風のようです。店舗は、立川市と所沢市にあります。
STEP3:値段交渉から購入まで
HPには、希望小売価格しか載っていないため、メールでSL-300EXの販売価格をお伺いしました。
ミシンショップタケダさん、ミシン販売専門店さん、世界のミシンソーイングセンターjoyさん、美心工房さんの3店に問合せしました。
ミシン販売専門店さんのお返事がすぐ来たこと、対応が丁寧だったこと、そして価格が私の希望していた予算の範囲内だったため、こちらで即決しました。価格は決まっているため交渉しても安くなることはありませんでしたが、提示された価格が予想より安かったので満足しています。時期や仕入れ価格によって常に値段が変動するため固定ではありません。
ミシン販売専門店さんは、問い合わせ対応、受注受付、支払い・出荷、すべて担当が分かれていて、発注してからの流れがスピーディーで、カード決済した翌日に出荷していただきました。
ミシン到着
JUKI SL-300EXのミシンが納品されました。
引用:SL-300EX 取扱説明書より
補助テーブル、フットコントローラー、ひざ上げレバーは付属品として一緒に納品されます。
ひざ上げレバーは、手で押さえ上げを上下しなくても、右膝の横にあるレバーを押すことで押さえ上げが上下する便利な機能です。(押え上げ量:最大12mm)
レバーは補助テーブルの裏側に収納できるようになっていますが、私は付けっぱなしの状態にしています。
その他付属品は下記のとおりです。
①工業用針 DBx1 4本
②専用ドライバー:ボビンケースの糸調子のネジを調整する時に使います。
③ミシン油
④掃除用ブラシ
⑤ドライバー
⑥ボビン 4個
⑦三つ巻押え
⑧ファスナー押え
⑨糸ゴマキャップ:家庭用糸を糸立棒にセットした上に糸ゴマキャップを差し込みます。
使ってみての感想
よかった点
・厚地が抵抗なく高速で楽々縫える
→家庭用ミシンでは、はずみ車を手で回して1針ずつ縫っていたような厚い生地も何の抵抗もなく楽々足踏みで縫えました。
・自動糸切がすごく便利
→いままで糸切はその都度ハサミで切っていて、特に面倒だとは思ってはいませんでしたが、自動だととても便利だと感じました。自動糸切なら、糸切した後わざわざ手で下糸を引き出さずにそのまま縫い始められるのもいいです。
※この手で下糸を引き出す動作がボビンケースに負担を掛けるそうです。(ミシン屋さんよりお伺いしました。)
・見た目がすき
→安定感があり、どっしりしていて、見た目が気に入っています。念願の職業用ミシンがお部屋にあることが嬉しいです。
問題点
・音がうるさい
→2階でミシンを使っていますが、1階にかなり響くと家族に指摘されました。縫っているときはそれほど音が気にならなかったのですが、下への振動は大きいようです。マンションでは夜使用するのは控えた方がいいようです。
JUKIさんで販売しているコルクの防音マットがあるのでそちらを購入しようと思いましたが、口コミを見るとあまり効果がない、という内容があったので他の方法を考えました。最終的に、テーブルの脚受けや滑り止めに使うキャスターストップがミシンの足にぴったりはまり、これで試したところ振動や音が弱まり、家族からも気にならないと言われました。防音マットを引くより、見た目がすっきりしていてミシンの下も掃除しやすいので、私はこちらが気に入っています。
内径約40mmのキャスターストップ(TS-404)がぴったりでした。
小さいサイズもあるので、注意してください。
カラーは黒と茶があり、私は黒を使っています。
・重い
→重さは覚悟していたので問題ではないのですが、持ち出して色々な場所で使うには不便です。そのためミシン机に出したままで移動はしないことにしています。
まとめ
使える家庭用ミシンがあったので、職業用ミシンを購入するまで1年くらい検討しました。お店で実物をみたり、ネットで検索したり、何を縫うために欲しいのか、など検討する時間が長かったことで、後悔なく満足のいく職業用ミシンを購入できました。価格に関しては、同じミシンなのにお店によってかなり開きがある(1万円~5万円ほど)ので、色々なお店に問い合わせてみることをおすすめします。また価格だけでなく保証期間やアフターサービスも含めて比較検討してみてください。
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